「クライング・ゲーム」

IRA絡みの話だが、社会派の映画ではない。
ラカンの有名な(悪名高い)テーゼ「男女関係は存在しない」を表す例として、ジジェクが言及していた映画だ。
見て良かったと思ったのは、重要な役でフォレスト・ウィテカーが出ていたことだ。味のある役者だと思う。
映画は良かった。ストーリーが納得できたし、音楽やアクションも効果的だった。
女だと思っていた相手が、男だったらそのショックは計り知れないものがあると思う。ファーガスがその後、謝ったのは立派だなと思った。
男女関係だけでなく、人間関係全般で相手の欲望に照準することはあると思う。相手に何かメリットを与えるのでなければ、関係が成り立つかどうか疑問。夾雑物のない純粋な関係があるとすれば、血縁や幼なじみとの関係になるだろうか。