2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「プライマル」(原稿用紙26枚)結婚したがっている28歳のOLの話です。昔の恋人との偶然の再会という設定から演繹的に書きました。よかったら読んでみてください。

仕事をしていると自由時間が限られてくるのは悲しい。執筆なんてやっていると週末はあっという間に終わってしまう。しかも、パソコン上で書くものだから、どうしてもネットをやってしまいなかなか集中できない。今日も少し書いてはネットの繰り返しで、かな…

『哲学宣言』(アラン・バディウ)

バディウ自身が言うには、自分の主著である『存在と出来事』の啓蒙版のような本だそうだ。 興味深かったのはバディウが哲学に不可欠な四つの条件の一つとして「数学素」を挙げていることである(他には詩、政治的創意、愛)。バディウは大変数学に造詣が深い…

『マラルメ論』(ジャン=ポール・サルトル)

マラルメの生きた時代背景やマラルメの人生および友人に宛てた手紙などに触れながら彼の詩作について論じている。 ロマン主義の終わりと神の死により、マラルメは詩を書くことそのものを問いに付さざるを得ない困難な時代に生きた。また、マラルメの家は役人…

『イルマ・ヴェップ』(オリヴィエ・アサイヤス 1996年)

サイレント映画『吸血ギャング団』のリバイバル版を撮るという設定。監督のルネ(ジャン=ピエール・レオ)は、主役のイルマの役に中国女のマギー・チャンを起用する。マギー・チャンが単身でパリに乗り込み、映画制作に巻き込まれるというのがストーリーだ。…

『逃げてゆく鏡』(ジョバンニ・パピーニ バベルの図書館30)

ポーの影響を受けたイタリアの作家、パピーニの短編集。ボルヘスは序文で「忘れ去られた人」と言っていたが、この作家の本は他に見たことないし、実際そうなのかもしれない。 僕はまず本の題名に惹かれた(同名の短編が収められている)。短編の全タイトルは…