2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『スタンツェ―西洋文化における言葉とイメージ』(ちくま学芸文庫)

アガンベンの初期の著作。彼は『ホモサケル』など政治哲学の分野の著作で注目を浴びるようになったが、美学が彼のもう一つのフィールドであり、『スタンツェ』は美学分野の本。『ホモサケル』も読んだが、僕にはこちらの方が興味深かった。ただ、内容につい…

スモール・ベースボール

プロ野球のセ・リーグが開幕して、十数試合が終わった。 僕はヤクルトファンなので、ヤクルトを中心に見ているが、 ヤクルトは今年主力選手と監督・コーチが大きく入れ替わり、チームカラーが変わった。 去年のエースと4番が抜けたが、去年までの大味な野球…

「そして、デブノーの森へ」

アナ・ムグラリスとダニエル・オートゥイユによるエロティック・サスペンス? 原題はLe Prix Du Desir。 すごく凝ったストーリーである。 覆面作家というオートゥイユの設定からして、曰くつきである。 実際、その設定に秘密があり、それがストーリーの核心…

「素粒子」

ミッシェル・ウェルベックの同名の小説の映画化。 ディテールや構成は必ずしも小説通りではなかったが、 基本的に小説に忠実に作られていたと思う。 主人公は父親が違う四十代の兄弟(ブルーノとミヒャエル)である。 二人とも問題を抱えている。 それは人間…