2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

昔読んだ漱石

一八くらいのとき漱石にはまった。一番、興味深く読めた作品は『それから』だった。「高等遊民」、長井代助の傲慢な態度は魅力的に思えた。自分も将来、ああいう風になりたいと憧れた程だ。それだけに、ラストは衝撃的だった。当時は三十(代助の年齢)と言…

女と女の子

何時からか女の子は女になっていた。最近、そのことに気付いた。つまり、自分の相手をしてくれるのは女になっていたのだ。僕は今まで自分が女の子しか見てこなかったことを発見した。「女の子」とはどこかステレオタイプ的な女性像だ。女の子だから何々は許…

最初の十年

この春で東京に出てきたから十年が経った。十年といったら、ちょっとした年月だ。今では東京に出てきたての九〇年代後半が懐かしく思える。東京には今までとは違ったことを勉強するために出てきたわけで、一からのスタートだった。何もかもが新しかった。 い…

『アワーミュージック』(ジャン=リュック・ゴダール 2004年)

様々なテキストからの引用は興味深かったし、冒頭の戦争のコラージュやオルガの死を表すシーンなどよいシーンもあったが、いまひとつ引き込まれるものがなかった。テーマに対する無知は自分の問題だとしても、煉獄編は散漫すぎる気がした。 いつものことだが…