2011-01-01から1年間の記事一覧

「さすらい」

長い映画だった。冒頭のフォルクスワーゲンが爆走して、湖に突っ込むシーンが鮮やか。 最初は二人の男の背景がわからず、話に入り込めなかった。 テーマは最後の方までわからなかったが、最後の会話でようやくかなりクリアになった。ラストの会話はかなり共…

「エッセンシャル・キリング」@アップリンク

たまたまツイッターで公開中であることを知り、見に行った。 ランボー+タルコフスキーというコピーのとおり、アクションシーンが見ものではある。タルコフスキー的なのは終盤だろうか。 僕は「変態村」にも似ているように思った。たぶんストーリーがシンプ…

「都会のアリス」

ロードムービーでヌーヴェルヴァーグ風の映画。 モノレールが車道の上を走っているというアムステルダムの街の風景がおもしろかった。 アリスには9歳とは思えない大人っぽさがある。 音楽や光の使い方が良かった。エンターテインメント性はないが、良作だと…

夏の終わり

夏が終わろうとしている。ポーティスヘッドの曲が似合う季節になった。 僕は2011年の夏を一生忘れないだろう。真夏にマンションの屋上から飛び降りて若い命を散らした友人Fのせいだ。 しばらく、Fが死んだという事実が常につきまとっていた。朝起きても、ま…

『ドーン』(平野 啓一郎)

2036年のアメリカが舞台。有人火星宇宙飛行船「ドーン」の話と大統領選挙の話が軸になっている。 ウィリアム・ギブスンの小説のように複数の登場人物の視点の話から構成されている。東アフリカにおける戦争の泥沼化という大きな話と佐野明日人というドーンの…

「(500)日のサマー」

構成が凝っていて、退屈しなかった。 別れた後、トムとサマーとの間にドクサの交換がある。しかし、運命と偶然は捉え方の違いでしかないと思う。 『ドリアングレイの肖像』(この本が運命的な出会いに関与しているのだろうか)をカフェで読んでいたとき、た…

「ブラックスワン」@横浜ブルグ13

ダーレン・アロノフスキーは、痛い映画が好きなのか。 「Π」しかり、「レクイエム〜」しかり(他は見ていない)。 今回もそれらに勝るとも劣らぬ痛さがあった。 完成度は高いと思う。ただCGは使わない方がよかった箇所があった。 「白鳥の湖」の主演に抜擢さ…

「しあわせな孤独」

不倫の話は誰かが悪いとは思わない。セシリが医者を求める気持ちはわかる。「私たちはチームね」という医者の奥さんは、自分の運転でヨヒアムの人生を大きく狂わせたことについて、同乗していた娘のように何らかの責任を感じるべきだと思う。夫の不倫も因果…

「SOMEWHERE」@川崎チネチッタ

「ロスト・イン〜」と似ているが、より深い話に仕上がっていると思う。 経済的に成功し、女性からも大モテの男の空虚さというのは実感としてはわからないが、この映画は説得力がある形でそれを提示していたと思う。ラストも好感が持てた。 スティーブン・ド…

「メイド・イン・ホンコン」

1997年の香港映画。 はみ出し者の若者たちを描いた作品。 主演のサム・リーが光っていた。サム・リーは「ピンポン」で見て以来、ずっと気になっていたが、この映画ではサム・リーの魅力が全開になっている。 いしだ壱成に似ているかもしれない。実際DJもやっ…

「しあわせの雨傘」@GENTO YOKOHAMA

台所に囲い込まれた主婦が社会とのつながりを取り戻すという、フェミニストが喜びそうな映画。 主役のカトリーヌ・ドヌーヴは、とうに還暦を過ぎているが、なかなか魅力的だった。太っているが、悪くない太り方だと思う。 ジェラール・ドパルデューは太りす…

「インファナル・アフェア」

疑問箇所もあったが、よかった。冒頭で一気に話を飛ばしているが、予め続編を作ることを想定していたのだろうか。 アンディ・ラウが遺品の携帯電話に掛けるシーンが最高だった。 登場人物が皆、欧米のライフスタイルに染まっていることが気になった。精神科…